コルクマットにカビは発生する?湿気対策が重要ポイント

カビ

コルクマットはジョイントマットよりも床に敷くことで弾力性を高め、保温性も高いことから人気です。今回はそんなコルクマットとカビの関係性を詳しくご紹介します。コルクマットにはカビが発生しやすいのか?対処方法など、これから購入を考えている人や、すでに使用している人にも知っておくと安心な情報満載です。

カビが引き起こす悪影響

「カビ」は微生物の一種で正式には「真菌」と呼ばれます。常に空気中に浮遊していると言われ、除去は不可能といえます。気温が25℃〜30℃程度、湿度が65%以上でホコリや汚れなどの栄養分がある環境で増殖し、目に見える状態まで成長します。

カビが発生すると見た目に黒や赤、黄色などの色で確認できますよね。カビは種類によって色が違います。特に黒カビは室内でよく見られる代表的なカビの一つで、空気中に漂っているカビの中で最も存在割合が高いといわれています。 黒カビは湿気がこもりやすい場所や結露が発生して湿った場所、頻繁に濡れる場所やエアコンの中によく発生します。また赤カビや青カビは食品に発生し、中には毒性を持つカビもあります。

環境にもよりますが、1日に1万個以上も吸い込んでいるともいわれています。種類は8万以上とも言われ、チーズや納豆などの食品作りにも使われているカビですが、水回りや浴室などで発生するカビの胞子を吸い込むと、微熱、咳、痰などの症状が出る場合もあります。中にはハウスダストとしてアレルギー反応や喘息、肺炎などの原因となることから、全く無害であるとはいえず、健康維持のためにもきちんと対策を行っていきたいですね。

人に影響がなくても浴室やキッチンでカビを見つけたらそこは繁殖に好条件の場所ということになり、対策をしないとカビが増え続けていきます。見た目にも好印象とは言えないので増やしたくないところです。

カビが発生する原因は?

原因は大きく分けて4つあります。1つ目は温度です。温度が25℃〜30℃で風のない場所で発生します。胞子は空中を漂っているので風があると簡単に飛ばされてしまいます。また温度が低いと繁殖が遅くなります。

2つ目は湿度です。湿度が80%を超えると最も繁殖しやすい環境になります。カビが好む場所で有名なのが湿気の多い場所です。水回りにできやすいのもそのためです。特にキッチン周りや風呂場、洗面所やクローゼット、押入れなどが有名ですが、冬場になるとリビングなど人が集まり気温が高くなりがちな部屋の床や壁、窓際も湿度が高くなりやすく、カビが好む環境といえます。

3つ目は栄養分です。カビはホコリや食べ物のカス、髪の毛などはもちろん、汗や垢などを栄養源にしています。種類によっては特殊な分解酵素を持っており、プラスチックや塗料などの無機物まで取り込んで分解し、栄養源とする種類も存在します。カビが成長するための栄養を取り除けばいいのではと思いますが、このように垢、プラスチック、塗料などさまざまなものを栄養として繁殖するのですべての栄養源を取り除くのは難しいです。

4つ目は酸素です。ほぼ全てのカビは人間と同じく酸素がないと生育できません。酸素があることで呼吸し成長していくことから、酸素も原因といえますが、人間の生活にも酸素は必要ですから、取り除くことは現実的ではありません。

カビと湿気の関係

カビは湿度が80%以上あると活発に繁殖するとご紹介しましたが、種類によっては60%以上の環境で発生する種類も存在します。この湿気をコントロールすることが、人間ができる唯一の対策といえるでしょう。

カビは湿度が59%以下の環境では成長が遅くなることから、湿気をうまくコントロールすることで発生しにくい環境を作ることができます。ただ、完全に死滅させることはできないので、日頃の湿気のコントロールを続けていくことでしか対策は取れません。

特に最近の住宅は気密性が高くなり、冬は暖かく夏は涼しい住環境を提供してくれますが、その反面で換気や湿気のコントロールを怠るとカビが発生しやすくなっています。断熱効果の高い床材や壁紙クロスを使用している場合も要注意といえるでしょう。

コルクマットはカビに強い?

コルクマットの素材であるコルクには天然の抗菌成分が含まれているので、カビの繁殖を抑える効果があります。また、コルクマットは耐水性があり、内部に細かな気泡があることから湿気の調整機能を持っています。湿気はカビの好物ですから、湿気を抑えることも繁殖を防ぐために役立ちます。

昔の住宅は木造で、ドアや床、壁も木の素材でできている事が多く、家具も多くは木造でした。木材は木の繊維を利用して水分を調整することができ、隙間風もあったので構造的にカビが発生しにくい作りをしていました。

最近の住宅はプラスチック素材やガラス、金属をはじめとした無機物の素材で作られている製品が多いため、この湿気の調整機能を果たす事ができません。その点ではコルクマットを利用することはカビに強い家づくりを進める一歩になるでしょう。

また、もしコルクマットにカビが発生してもその部分を取り替えたり洗浄したりすれば室内を清潔に保つことができるので、この点でもコルクマットは有効な素材といえるでしょう。

コルクマットにカビは発生する?

コルクマットにも使い方によってカビは発生します。特に、カビが発生しやすい使い方をしている場合は、コルクマットがカビに強い素材だとしても要注意です。

カビが発生しやすいコルクマットの使い方としては、日当たりの良くない北側の部屋で使っていたり、風通しや気密性の高い建物で使用していると発生しやすくなります。またフローリングの床は冬場には結露を起こすこともあり、この結露から発生することがあります。

繁殖に高環境である湿気と、栄養になるエサ、繁殖時間などが合わさるとカビは発生してしまいます。特にコルクマットのジョイント部分には食べかすや人の垢などが溜まりやすく、そのままにしておくとカビが繁殖し、気付いた時には黒くなっていたということも。また、フローリングと接しているコルクマットの裏面も飲み物などをこぼしてふき取り忘れたりすると、湿気や栄養がそのままになってしまうので発生の好条件となってしまいます。

コルクマットの上に布団を敷いて寝ている場合も要注意です。人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくとも言われています。布団には汗によって湿気を含んでいるのです。その状態でコルクマットの上に敷きっぱなしにしておくと、コルクマットの湿気が高くなりカビが発生しやすくなります。同様に畳の上にコルクマットを敷く場合も注意が必要です。畳とコルクマットの間の隙間は湿気が溜まりやすく温度が高くなるため、カビの温床となってしまう可能性があります。

また、防音対策として床の上にコルクマットを敷き、その上からカーペットを敷く場合もありますが、この使い方は要注意です。床とコルクマットの間、コルクマットとカーペットの間の両方に発生しやすい環境が作られてしまいます。特にこの使い方をした場合は、掃除の際にカーペットとコルクマットの両方を外さなければならず手間がかかり、掃除を怠るとカビの発生だけでなく床面を痛めてしまう原因にもなります。

カビの発生を防ぐ対策法

カビを発生させないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?ここでは発生させないポイントをご紹介します。

  • 水分を残さず湿気が高まることを防ぎ、定着時間を作らせないこと
  • カビの大好きな水分を残しておかないことが重要です。コルクマットの上で飲み物や水分をこぼしてしまったら表面は拭き取ると思いますが、めくってフローリングが濡れていないかを確認し、濡れていたらしっかり拭き取ります。ジョイント部分も濡れているかもしれないので外して拭きましょう。

  • コルクマットを乾燥させる
  • 水分を拭き取るだけでなく、コルクマットを床から外して干し、乾燥させるとより効果的です。
    普段の掃除の時は、表面の汚れを吸い取り、栄養となるものをなるべく少なくし、定期的に外して通気性を良くすることで、湿気を取り除きます。

  • コルクマットをアルコールで殺菌
  • フローリングとコルクマットの間に発生しやすいので、取り外して掃除、乾燥した後に消毒用エタノールや無水エタノールをスプレーして乾燥させてから敷き詰めるとより効果的ですよ。

  • 黒カビを見つける前にカビ対策を
  • カビは発生したばかりの頃には色がなく、気づきません。黒くて見るからにカビと分かる頃には、そこに定着し、ほかにも広がっている可能性があります。カビとわかるものが発生する前に対策をすることで、コルクマットをきれいな状態で長く使うことができますよ。

    コルクマットに黒くカビが定着してしまうと色は落ちません。そうなってはいくら掃除機をかけても乾燥させても見た目にはカビが付いている状態になってしまいます。そんなときはその部分だけ新しいものに付け替えて使うと良いでしょう。種類が異なるとジョイント部分が上手くはまらないことも。同じ商品でもリニューアルされると以前のものと組み合わせられないものもあるのであらかじめ多めに購入しておくと安心ですよ。

場面別にみるカビ対策

基本的なカビの発生を防ぐ対策法はご紹介しましたが、ここではコルクマットを使用する場面別に発生を防ぐポイントをご紹介します。

  • フローリングの床で使用する場合のカビ対策
  • コルクマットの最も一般的な利用法がフローリングの床にコルクマットを敷く方法でしょう。この場合は床面のフローリング加工とコルクマットの除菌性からカビが発生しにくい状態を保ちやすいといえます。しかし、食べ物や飲み物をこぼした際にしっかりと掃除する事が大切です。また、冬場には注意が必要です。

    冬場は床下の冷気と室温の差から結露が発生します。特に湿度が高い部屋の場合、窓際や床に水滴が出るほどの湿気となりますし、目に見えない結露も発生しています。その場合、床とコルクマットの間のスペースにも結露が発生し、そこにカビが繁殖する可能性があります。フローリングの床でコルクマットを使用している場合でも、カビ対策として週に1度はコルクマットを外して換気することをお勧めします。

  • 畳の上で使用する場合のカビ対策
  • 畳の上でコルクマットを使用する場合には、敷く前にしっかりと畳の上を掃除することが大切です。部屋をしっかりと換気して、可能であれば畳をあげて湿気を取り除きましょう。この時に畳の下に掃除機をかけてちりやほこりを吸い取ることも忘れないようにしましょう。その後、畳の目にそって掃除機をかけて畳表面のゴミを取り除きます。 雨降りの日に換気を行うと逆に湿気が入り込み、畳が吸収してしまうので、コルクマットを敷くのは天気の良い日にしましょう。

    また畳のある部屋が1階の場合、床下からの湿気が原因で畳の下面にカビが発生する事があります。これは、畳の湿気を放出するのをコルクマットが防いでしまっているからです。1階の場合は防湿シートなどを敷いて防湿対策を行うことをお勧めします。

  • キッチンや脱衣所で使用する場合
  • キッチンや風呂場に繋がる脱衣所など、湿気が多い所でのカビ対策は、使用していない時にはコルクマットを上げてしまうことです。どちらもフロア全体にしっかりと敷き詰めるのではなく、必要な場所にだけ敷いて使用しない場合はコルクマットを上げて湿気が溜まらないようにしましょう。特にカビが発生しやすい環境なので、しっかりと対策を行わないとコルクマットだけでなく、床を痛めてしまう原因となります。

カビが発生した場合の対処法

コルクマットにカビが発生した場合の対処方法は大きく2通りあります。一つ目は発生したコルクマットだけを新しいものと交換してしまうことです。ジョイント式の利点を活かして新しいコルクマットを使うことができるのは大きなメリットです。二つ目は発生したコルクマットを洗浄することです。この場合、カビの発生したコルクマットを取り外し、中性洗剤をぬるま湯で10倍程度に薄めた液を用意し、ぬるま湯で流しながらカビを取り、十分に乾かしてからエタノール等の殺菌液を散布することでカビを落とすことができます。

コルクマットにカビが発生した場合、どちらの方法で対処する場合にも床面の洗浄と除菌が必要です。 中性洗剤を10倍程度に薄めたぬるま湯につけた雑巾で発生した付近の床をよく拭きます。その後硬く絞った雑巾で拭き上げて十分に乾燥させます。最後にエタノール等の殺菌液を塗布して乾燥させることで、カビの再発を防ぐことができます。

重要な点はカビが広がる原因になる胞子を殺菌することです。特に床面付近は見えない胞子が存在しているので、確実に殺菌するようにしましょう。

まとめ

カビは湿気と栄養分、温度などの条件がある場所に発生します。それを水回りで全て取り除くのは難しいですが、コルクマットなら、こまめな掃除、定期的に取り外して通気性を良くするだけで防止になります。ぜひ、カビを防止し、コルクマットを快適に使いこなしてくださいね。